【レビュー】天才を殺す凡人/北野唯我 ◎職場の構造が理解でき、行動したくなる
こちらは、株式会社ワンキャリアの最高戦略責任者の北野唯我氏が、「組織が異なる才能をコラボレーションさせる方法」を構造からわかりやすく示した一冊です。
強烈な題名で、話題になっていたので読んでみました。
凡人からすると「こういうことだったのか!」とワクワクしながらも、サクサク読み進めることができました。
■ 本から得られること
❝働いていて「悔しい」と思ったことはありますか。❞
❝そしてこの「悔しい」という感情は、勘違いされがちですが、実は他人ではなく、自分 へ向けられた気持ちだと思うのです。言い換えれば、
「自分の才能を自分自身が活かしきれていないことへの焦りや悲しみ」
です。だからこそ、人は「もっとできるはずなのに・・・」と悔しくなるのではないでしょうか。
だとすれば、問題はこの「才能の正体」です。具体的には、自分の才能とは一体なにか?です。❞
(まえがきより一部抜粋)
働いていると、悔しいと感じることがありますよね。
私は「できなくて悔しい」「わかってもらえなくて悔しい」と思うことがありました。
ただ、これは結局、「もっと自分に能力があれば」「しっかり伝えることができれば」と自分自身にベクトルが向いています。
自分の才能は何か、自分にできることは何かについて考えることができる一冊です。
・職場で自分のできることを見つけたい
・職場である人を応援したい
・職場である人に応援されたい
・社内の人を理解したい
このように思われる方にはおすすめの一冊です。
■ 要約
1.ポイント1:配られたカードで戦え
❝「そや、だから負けることなんてたくさんや。勇気出して配られたカードで勝負してもな、 負けるなんてよーさんある。だどもな、もっと大事なのは、自分に配られたカードを世の中に出し続けることなんや。そしたら一つだけ約束できることがある」
「一つだけ約束できること?」
「過去最高の自分に出会えること。これだけはホンマや。才能は絶対磨かれていく。そして見たことない自分に出会える。これが才能を使うことの最大のメリットなんや」❞
(一部抜粋)
やり続けるって勇気も根気もいりますよね。
才能が磨かれるためにはやっぱりコツコツ努力が必要なんだな、とこの本でも記載がされていました。
根性論ではなく、「1000本ノックは必要。だけど、サポートも必要。」という言葉を思い出しました。
2.ポイント2:科学の良さは失敗できること
❝「そやから、危険なんや。
成功の上澄みだけを教科書で学んできた「秀才」は、自分は科学を使いこなせると勘違いする。
なぜなら自分で「失敗しまくったこと」がないからや。
つまり、失敗したことない秀才が、組織の上に立ち、サイエンスを振りかざしたとき、天才を殺してしまう。
ある世界的に有名な科学者は言った。
『科学の良さは失敗できることである」と」❞
(一部抜粋)
政治アナリストの伊藤さんが言われてた「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う」という言葉を思い出しました。
いろんな意見はあると思いますが、意図してもっていきたい方向に見せる方を想像してしまいました。
だけど、本当は失敗できる、というこういうことが大切なんだと感じました。
3.ポイント3:それぞれの人の中に天才がいる
❝「悩むほとんどの人が、若い頃の教育の過程で、自分の中の天才を殺してしまったからな んや。今回、君はそのリミッターを外すことに成功した」❞
❝「僕の中のリミッターを外す・・・それは「秀才の言葉』を忘れることだったと」
「んだ。人の才能というのは、ゼロか100か、ではない。
たとえば、創造性:再現性:共感性=10:0:0 というものではない。それぞれ、少しずつは持っていることがほとんどや。そしてその優劣によって『天才』『秀才』『凡』』のカテゴリーが決まる」❞
(一部抜粋)
このリミッターを外すことことそが、自分の傷つきやすさを受け入れて、向き合うことのヴァルネラビリティだと理解しました。
本には「天才とは『自分に合った武器』を手にした上で『ストッパー』を外した人間 のこと」と記載があったので、天才こそヴァルネラビリティを発揮しているのかなと思いました。
■ 今後に活かせること
- 自分の配られたカードを理解する。
- 周囲をしっかり観察してみる。
- 自分の中の創造性を感じてみる。
■ 感じたこと
かなりわかりやすく職場内を理解することができました。
どこの職場でもこういったことが当てはまると思うで、話題になった理由も理解できました。
人の才能を潰していないか、を考えることも大切ですが、自分の才能も潰していないか、を考えることも大切だと感じました。
■ 著書について
・【書籍名】職場の人間関係に悩む、すべての人へ 天才を殺す凡人
・【著者名】北野唯我 氏
・【出版社】日本経済新聞出版社
・【出版日】2019年1月
最後までご覧くださり、ありがとうございました!