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【レビュー】私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む/ポール・タフ ◎子どもを理解し、どう接すればよいのかが学べる

こちらは、『ハーパーズ・マガジン』『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』編集者・記者を経て、フリーのジャーナリストになり、子供の貧困と教育政策を専門に多数の執筆・講演活動を行うポール・タフ氏が、学術的な見地から子どもの未来のために何ができるのかを指南する一冊です。

本書の目的として、次の2点をあげられています。

・現場と政策立案者の双方に実践的なガイドを提供すること

・成功例それぞれの核となる原理を抽出して解説し、共通点を見つけること

■ 本から得られること

かなり多くの事例とエビデンスをもとにした結論から、

「じゃあ、どうすればよいのか」という問題について明確な答えが得られました。

ストレスが脳に与える影響を理解し、関わり方を学び、何ができるのかを心の底から考えさせられたような気がします。

子育てにもコーチングが有効だと言われる理由が腹落ちしました。

子育ては環境によっていかようにもなるのだということがわかり、関わり方を考えさせられます。

なによりも、これからの日本の社会問題として、教育が変われば未来が変わりそうな可能性を感じました。

・子育てに悩んでいる方

・非認知能力に興味がある方

・非認知能力を身に着けてもらうために悩んでいる方

・問題児がいると思っている教育者の方

・日本、世界の未来をよくしたい方

・子どもが大好きな方

教育者の方だけではなく、子育て中の方だけでなく、日本の未来をよくしたい方は、これからどんな行動をしていけば良いのか、を考えさせられる一冊だと思います。

■ 要約

1.ポイント1:問題児に起こっていることを理解する。

❝「学習のための積み木」について書いたレポートのなかで、スタフォード ブリザールは こう述べている。 深刻な逆境にさらされてきた子供たちが学校でいちばん必要としている のは「ストレス反応から影響を受けているはずの能力を、改めて発達させるチャンスであ る。それは、絆をつくる能力、ストレスを調整する能力、何より自制する能力だ」。 しかし 現実には、こうした能力に欠けるために苦労している生徒たちは、学校システムのなかではこう見なされている。 「どうしたら規律を守らせることができるのか?」 学校側に は、子供が健全な自制のメカニズムを発達させられずにいることがわかっていない。彼らの目には、単に問題行動をくり返す子供としか映らないのだ。

私たち大人は子供が何か悪いことをしたときに、直感的にこう決めてかかる。 「子供がこんなことをしたのは、自分の行動の結果を理性的に考えて、代償よりもその行動により利益のほうが大きいという計算が働いたからだ」 そこでふつうは子供たちが受ける罰を重くして、悪いおこないの代償を大きくしようとする。しかしこの方法に効果があるのは、悪いおこないがほんとうに理性的な打算の産物だった場合だけである。 ところが実際にはこれは神経生物学の研究によって判明した重要な点の一つでもあるのだが―若者の行動、とくに深刻な逆境を経験してきた若者の行動は、多くの場合、理性とはかけ離れた感情や精神やホルモンの影響を受けている。

もちろん、だからといって、教室での悪いおこないを教師が許したり無視したりすればいいわけではない。だが長い目で見たとき、問題を抱えた若者の動機付けとして、なぜ厳しい罰則では効果がないのかはこれでわかる。

生徒が自ら自制能力を発達させようとする状況や仕組みをつくりだすことに重点を置いた方が、もっと効果があがるはず。

・停学処分の多く出たところでは、停学になったことのない生徒の数学と読解の学期末試験の結果が落ちていた。厳しすぎる規律の方が、問題行動のあるクラスメートよりもストレスと不安の原因になったのかもしれない。❞

(一部抜粋)

自分の子どもの頃を思い出しました。

理解しようという気持ちが全くない残念な子どもだったな~と。

ただ、何が起こっているのか、どんな問題を抱えているのか、説明されたら何かが変わったのかな、とも思います。

やっぱり決めつけるのではなく、知ろうとする、理解しようとすることからですね。

安定したアタッチメントや、ストレスを管理する能力、自制心といった基幹の上に

自己認識能力や人間関係をつくる能力などが発達し、そこから

レジリエンス、好奇心、学業への粘りといった高次の非認知能力が身につくそうです。

2.ポイント2:内発的動機づけ「自律性」「有能感」「関係性」

❝デシとライアンは教育に関する著述を、人間は生まれながらの学習者で、子供たちは生まれつき創造力と好奇心を持っており、「学習と発達を促進する行動を取るよう、内発的動機づけがなされている」という前提から出発した。 しかしながら、このアイデアは「退屈さ」によって複雑になる。何かを学ぼうと思ったら、それが絵を描くことであれ、プログラミングであれ、八年生の代数であれ、たくさんの反復練習を要する。 反復練習はえてしてかなり退屈なものだ。デシとライアンは、教師が生徒に日々求めるタスクの大部分は、それ自体が楽しかったり満足できるものだったりするわけではない、と認めている。 掛け算の九九を暗記することに強い内発的動機を持っている子供は稀なのだ。

この瞬間、つまり内なる満足のためでなく、何かべつの結果のために行動しなければな くなった瞬間に、「外発的動機づけ」が重要になる。デシとライアンによれば、こうした外発的動機づけを自分のうちに取りこむようにうまく仕向けられた子供は、モチベーションを徐々に強化していけるという。ここで心理学者は、人が求める三つの項目に立ち戻る。「自律性」「有能感」「関係性」である。この三つを促進する環境を教師がつくりだせ れば、生徒のモチベーションはぐっと上がるというわけだ。

では、どうやったらそういう環境をつくりだせるのか? デシとライアンの説明によれば、生徒たちが教室で「自律性」を実感するのは、教師が「生徒に自分で選んで、自分の意志でやっているのだという実感を最大限に持たせ」、管理、強制されていると感じさせないときである。また、生徒が「有能感」を持つのは、やり遂げることはできるが簡単すぎるわけではない生徒たちの現在の能力をほんの少し超える課題を教師が与えるときである。さらに、生徒が「関係性」を感じるのは、教師に好感を持たれ、価値を認められ、尊重されていると感じるときである。 デシとライアンによれば、この三つの感覚には、机いっぱいの金の星や青いリボンよりも、はるかに動機づけの効果があるという。生徒のモチベーションを高めたいと思うなら、教室の環境や生徒との関係を調整し、この三つの感覚を強化する必要がある。 「生徒が自律性感性を実感できる環境は、内発的動機づけを育てるだけでなく、あまり面白くない学習も進んでやる気にさせるものだ」とライアンはそう結論づける。❞

(一部抜粋)

きました!内発的動機づけ。

どうしたら「学業のための行動」を生むのか。ということも記載されていました。

3.ポイント3:カギとなる4つの信念

❝もしあなたが教師だったら、生徒たちをグリットのある人間にすること――グリットと呼ばれるきわめて重要な資質を発達させることはできないかもしれないが、グリットがあるようなふるまいをさせる、グリットがあればこうするだろうという行動を取らせることならできる。ファリントンの主張によれば、まさにそれが大事なのだ。その粘り強い行動が、教師が望む(そして生徒と、社会一般が望む) 学業の成果を生む助けになるのである。

では、生徒に粘り強い行動をさせるにはどうしたらいいのか? ファリントンが調査から導きだした結論によれば、「学業のための粘り強さ」の背後にあるカギは、「学業のためのマインドセット (心のありよう)」、つまり子供たちそれぞれの姿勢や自己認識である。 ファリントンは生徒のマインドセットに関する大量の研究から、カギとなる四つの信念を抽出した。生徒たちの教室でのがんばりに最も大きく貢献する信念である。

・私はこの学校に所属している。

・私の能力は努力によって伸びる。

・私はこれを成功させることができる。

・この勉強は私にとって価値がある。

生徒たちが授業中にこの信念を持っていられれば、そこで出くわす課題や失敗を乗りこ えられる。この信念がなければ、最初の困難がちらりと見えたところであきらめてしまうかもしれない。❞

(一部抜粋)

上記4つの信念を持っていれば、「学業のための粘り強さ」ができ、「学業のための行動」をとるようになる、と記載されていました。

また、次のようなことも書かれていました。

❝ポジティブな心のありように貢献する環境をつくろうとするとき、教育者が頼れる道具箱はふたつある。一つめの道具箱は「人間関係」。生徒にどう接するか、どう話しかける か、褒美と規律をどうやって与えるか。二つめの箱は「学習指導」だ。何を教えるか、どう教えるか、生徒の習得度をいかに評価するか。この先の章では、学ぶ環境を強化するこ とによって低所得層の生徒たちの成果を改善してきた例をいくつか挙げる。人間関係をターゲットにしたものもある。 学習指導に焦点を合わせたものもある。 先に論じた幼少期の支援についてもそうだったように、どれも完璧ではない。しかしすべてを考えあわせることで、逆境にある生徒たちが学校で成功するためにはどう支援するのが最善か、おおまかなガイドラインのようなもの、基礎をなす原則のようなものが見えてくるのではないだろうか。

(一部抜粋)

読めば読むほど、いろんなものが繋がってくるような感覚になりました。

どうやったら自分事として捉え、どんな意味づけをしてもらえるのか、サポートすることはできるのかなと感じました。

■ 今後に活かせること

  1.  プラスに働く介入の機会を子ども時代のなかでできるだけ多く探す。
  2. 帰属意識、安全、安定、世界のなかでの自分の居場所のメッセージを送る。
  3. 失敗はチャンスだというメッセージを送る。

■ 感じたこと

非認知能力をどうすれば伸ばせるのか、こんな時はこう接しましょう、

という本はよくありますが、この著書は「子どもに何が起きているか」を理解したうえでの対策が書かれていました。

様々な環境の問題から起こることを抽象的に取り上げ、具体的に行動を考えていく。

本当に子どもに何ができるのか、子育ての本質が学べるような感覚です。

筆者の子どもに対する愛情も感じられて、頑張ろうと思えた一冊でした。

■ 著書について

・【書籍名】私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む

・【著者名】ポール・タフ 氏

・【出版社】 英治出版

・【出版日】2017年9月

【レビュー】人を助けるとはどういうことか 本当の協力関係をつくる7つの原則/エドガー・シャイン ◎支援の基盤にある考え方が整理できる

こちらは、国家資格キャリアコンサルタントで必ず学ぶ組織心理学という分野の創始者でもあるエドガー・H・ シャイン教授が、支援の考え方を整理している一冊です。

キャリコンやコーチングで学んだ基本の考え方が書かれています。

ただ、それだけではなく、文化的・社会的観点から紐解いており、支援を行う人間関係のダイナミクスを分析し、そうした関係における信頼の重要性ついて学ぶことができました。

良かれと思ったことが大きなお世話になるのはなんでだろう?と感じたことがある方は、納得することがあるかもしれません。

■ 本から得られること

支援というと、先生やコンサルタントやカウンセラー等と思うかもしれませんが、日常生活の至るところに支援を伴う関係は存在しています。

例えば、友達にパソコンの操作方法を聞かれたので教えてあげる、道を尋ねられた時に教えてあげることも支援です。

本書ではこれを「非公式の支援」と呼んでいます。

非公式の支援、準公式の支援、公式の支援があるのですが、誰かに何かを成し遂げさせようと、人が意識的に手を貸そうとすることが支援なのです。

キャリコンでたくさん勉強してきましたが、より深く支援について学びたいと思い手に取りました。

・支援の基本的な考え方を知りたい

・思ったような支援を受けることができない

・思ったような支援をすることができない

・人の役に立ちたい方

・先生やコンサルタントの方

・チームを任されている方

上記の方にはおすすめです。

■ 要約

1.ポイント1:人は役割を演じている

❝うまく機能し、社会秩序そのものが維持される社会にするためには、非公式な相互の支援が 当然のものと見なされている。

面目を保つというルールは、あらゆる形の人間関係に当てはまり、敬意と品行というルールは、日々の生活を通じて人が互いに助け合う方法を指導してくれる。

あまりにも攻撃的な行動や受動的な行動をとったり、恥ずべき行いをしたりする人がいれば、われわれはすぐさま否定したり謝罪したりしてそうした状況を修復するか、そこから距離を置く。

われわれがもっとよく理解すべきなのは、支援を明確に求めたり、提供したりする人によって、通常の流れが遮られたとき、何が起きるかである。

そんな場合は、支援のプロセスそのものに目を向けるべきだ。

それから、これまで述べてきたさまざまな関係においては異なるルールが当てはまることに気づくだろう。

そして、どんな支援関係にも共通する重要なダイ ナミクスがあるかどうかを問わなければならない。

支援に不可欠のものが信頼だとしたら、たとえば車の販売員のような人を信頼するとは、どういう意味なのだろうか。❞

(一部抜粋)

日々の生活の中で、支援で適切な対応がされなければ不均衡が生じてしまいます。

それほどまでに支援とは、日常的なプロセスであり、気を配らないといけない特別なプロセスなのだと書かれていました。

2.ポイント2:成功する支援関係とは?

❝支援を求める立場=ワンダウン(一段低い位置)。

支援を求められる立場=ワンアップ(一段高い位置)。

要するに、そもそもどんな支援関係も対等な状態にはない。

支援のプロセスで物事がうまくいかなくなる原因の大半は、当初から存在するこの不均衡を認めず、対処しないせいだ。

当初の力の不均衡(クライアントが支援者に依存するという暗黙の了解と、クライアントと支援者のそれぞれが当然相手に期待していることの曖昧さ)のせいで、両者に不安感と緊張感が生まれている。これには対処しなければならない。

(一部抜粋)

コーチングでは、とにかく「対等な立場」ということを徹底しています。

だけど、この本には「対等な状態にない」と書かれていました。

ただ、「不均衡を認めて対処しないから、支援がうまくいかなくなる」とも書かれておりました。

なので、最初は対等な状態にないという前提を理解した上で、どれだけそう感じさせないように、対等でいられるように関わり合うことが大事なんだ。という風に感じました。

3.ポイント3:すべての答えを得ることはできない。

❝私は支援者の役割を演じているから、自分の経験が解決に役立つと考えたい気持ちに駆られるのだ。

自分が博識者だと信じ込んでしまう罠に陥り、解決策を作り上げてしまう。それが期待 されていると感じるからである。

しかし、そうした態度はほぼすべての場合、役に立たない助力となるだけだ。

ときには、正しい選択肢が 「問題を分かち合う」ことだと私は学んだのである。

(一部抜粋)

ただ、ともにいる。改めてこの大切さ、ネガティブケイパビリティの必要性を感じました。

たくさんの方を支援してこられた方も、経験を積まれたからこそ見えてくる境地なのかもしれないです。

■ 今後に活かせること

  1. 無知の自覚からプロセスを開始する。(無知の知!)
  2. 前提を理解したうえで、対等な立場になるように関わる。
  3. フィードバックは現実の姿にとどめる。

■ 感じたこと

この本でも、双方向や個別性の大切さが書かれていました。(という風に私は理解しました。)

フィードバックや励ましについてのコツも書かれており、やっぱり大切なんだと納得感をもって読むことができました。

クライアントが陥りやすい罠や支援者が陥りやすい罠から、どういう対応をしたらいいかまで、経験をもとに具体的に記述されており、学びにつながりました。

■ 著書について

・【書籍名】人を助けるとはどういうことか―本当の「協力関係」

をつくる7つの原則

・【著者名】エドガー・H・シャイン氏

・【出版社】英治出版

・【出版日】2009年8月

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました!

【レビュー】人を助けるとはどういうことか 本当の協力関係をつくる7つの原則/エドガー・シャイン ◎支援の基盤にある考え方が整理できる

こちらは、国家資格キャリアコンサルタントで必ず学ぶ組織心理学という分野の創始者でもあるエドガー・H・ シャイン教授が、支援の考え方を整理している一冊です。

キャリコンやコーチングで学んだ基本の考え方が書かれています。

ただ、それだけではなく、文化的・社会的観点から紐解いており、支援を行う人間関係のダイナミクスを分析し、そうした関係における信頼の重要性ついて学ぶことができました。

良かれと思ったことが大きなお世話になるのはなんでだろう?と感じたことがある方は、納得することがあるかもしれません。

■ 本から得られること

支援というと、先生やコンサルタントやカウンセラー等と思うかもしれませんが、日常生活の至るところに支援を伴う関係は存在しています。

例えば、友達にパソコンの操作方法を聞かれたので教えてあげる、道を尋ねられた時に教えてあげることも支援です。

本書ではこれを「非公式の支援」と呼んでいます。

非公式の支援、準公式の支援、公式の支援があるのですが、誰かに何かを成し遂げさせようと、人が意識的に手を貸そうとすることが支援なのです。

キャリコンでたくさん勉強してきましたが、より深く支援について学びたいと思い手に取りました。

・支援の基本的な考え方を知りたい

・思ったような支援を受けることができない

・思ったような支援をすることができない

・人の役に立ちたい方

・先生やコンサルタントの方

・チームを任されている方

上記の方にはおすすめです。

■ 要約

1.ポイント1:人は役割を演じている

❝うまく機能し、社会秩序そのものが維持される社会にするためには、非公式な相互の支援が 当然のものと見なされている。

面目を保つというルールは、あらゆる形の人間関係に当てはまり、敬意と品行というルールは、日々の生活を通じて人が互いに助け合う方法を指導してくれる。

あまりにも攻撃的な行動や受動的な行動をとったり、恥ずべき行いをしたりする人がいれば、われわれはすぐさま否定したり謝罪したりしてそうした状況を修復するか、そこから距離を置く。

われわれがもっとよく理解すべきなのは、支援を明確に求めたり、提供したりする人によって、通常の流れが遮られたとき、何が起きるかである。

そんな場合は、支援のプロセスそのものに目を向けるべきだ。

それから、これまで述べてきたさまざまな関係においては異なるルールが当てはまることに気づくだろう。

そして、どんな支援関係にも共通する重要なダイ ナミクスがあるかどうかを問わなければならない。

支援に不可欠のものが信頼だとしたら、たとえば車の販売員のような人を信頼するとは、どういう意味なのだろうか。❞

(一部抜粋)

日々の生活の中で、支援で適切な対応がされなければ不均衡が生じてしまいます。

それほどまでに支援とは、日常的なプロセスであり、気を配らないといけない特別なプロセスなのだと書かれていました。

2.ポイント2:成功する支援関係とは?

❝支援を求める立場=ワンダウン(一段低い位置)。

支援を求められる立場=ワンアップ(一段高い位置)。

要するに、そもそもどんな支援関係も対等な状態にはない。

支援のプロセスで物事がうまくいかなくなる原因の大半は、当初から存在するこの不均衡を認めず、対処しないせいだ。

当初の力の不均衡(クライアントが支援者に依存するという暗黙の了解と、クライアントと支援者のそれぞれが当然相手に期待していることの曖昧さ)のせいで、両者に不安感と緊張感が生まれている。これには対処しなければならない。

(一部抜粋)

コーチングでは、とにかく「対等な立場」ということを徹底しています。

だけど、この本には「対等な状態にない」と書かれていました。

ただ、「不均衡を認めて対処しないから、支援がうまくいかなくなる」とも書かれておりました。

なので、最初は対等な状態にないという前提を理解した上で、どれだけそう感じさせないように、対等でいられるように関わり合うことが大事なんだ。という風に感じました。

3.ポイント3:すべての答えを得ることはできない。

❝私は支援者の役割を演じているから、自分の経験が解決に役立つと考えたい気持ちに駆られるのだ。

自分が博識者だと信じ込んでしまう罠に陥り、解決策を作り上げてしまう。それが期待 されていると感じるからである。

しかし、そうした態度はほぼすべての場合、役に立たない助力となるだけだ。

ときには、正しい選択肢が 「問題を分かち合う」ことだと私は学んだのである。

(一部抜粋)

ただ、ともにいる。改めてこの大切さ、ネガティブケイパビリティの必要性を感じました。

たくさんの方を支援してこられた方も、経験を積まれたからこそ見えてくる境地なのかもしれないです。

■ 今後に活かせること

  1. 無知の自覚からプロセスを開始する。(無知の知!)
  2. 前提を理解したうえで、対等な立場になるように関わる。
  3. フィードバックは現実の姿にとどめる。

■ 感じたこと

この本でも、双方向や個別性の大切さが書かれていました。(という風に私は理解しました。)

フィードバックや励ましについてのコツも書かれており、やっぱり大切なんだと納得感をもって読むことができました。

クライアントが陥りやすい罠や支援者が陥りやすい罠から、どういう対応をしたらいいかまで、経験をもとに具体的に記述されており、学びにつながりました。

■ 著書について

・【書籍名】人を助けるとはどういうことか―本当の「協力関係」

をつくる7つの原則

・【著者名】エドガー・H・シャイン氏

・【出版社】英治出版

・【出版日】2009年8月

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました!

【レビュー】人生うまくいく人の感情リセット術/樺沢紫苑 ◎ホルモンと感情を理解して、生きやすくなる考え方が学べる

こちらは、札幌医科大学医学部卒で、同大医学部神経精神学教室に入局し、留学後、現在はYouTubeなどで「日本一、情報発信する医師」として活動している樺沢紫苑(かばさわしおん)氏が、ホルモン変化を理解して、感情と向き合うことを体系的に指南する一冊です。

ホルモンと感情の関連性がわかりやすく、納得しながら、実践したくなる一冊でした。

■ 本から得られること

❝この1冊で「世の中の悩みの9割」が解決できる!❞

まずこの一文がありましたが、解決するための考え方がたくさん記載されていました。

「なぜなのか」という根拠から、変化させる方法まで完結にまとめられており、サクサク読み進めることができました。

ホルモンの仕組みを理解しておくことで、自分の体に起こっていることが把握でき、安心します。

そこから感情をコントロールするための実践が可能になることがわかりました。

 

こちらは、三行ポジティブ日記を知ってから、実際に読んでみようと思って手に取った本です。

・なかなか前向きになれない

・人間関係で悩んでいる

・ホルモンについて簡単に学びたい

・ストレスを軽減させる方法を学びたい

このように思われる方にはおすすめの一冊です。

■ 要約

1.ポイント1:ホルモンの事実を知る。

❝苦しいや楽しいといった感情は、脳内物質、ホルモンの変化にすぎない。❞

❝苦しい状態では、ノンアドレナリン、アドレナリン、コーチゾールという3大ストレスホルモンが分泌される。❞

❝楽しい状態では、ドーパミン、エンドルフィン、セロトニンが分泌される。❞

セロトニンの分泌が低下すると、落ち着きがなくなり、イライラしたり不安になったりする。このように様々な脳内物質が、感情や気分を決定づけている。❞

(一部抜粋)

本書はまず、このホルモンがどんな時に分泌されて、そのホルモンがどう感情や身体に影響しているのかを知ることが大切だと言われています。

確かに、どうしようもないイライラが「ホルモンのせいだ」と思うと、ちょっとスッとする時がありました。

「仕方ないか」と受け入れる感じでしょうか。

この段階をおろそかにはしてはいけないと理解しました。

2.ポイント2:ストレスとは何か

脳科学者のキム・ジャクソンとデイヴィット・ダイアモンドがつくった、ストレスの定義を紹介しましょう。

 

・ストレスに対して興奮した生理反応があり、それが第三者によって測定可能であること

・ストレッサー(ストレスを与える刺激)要因は、嫌いなものであること

・自分はストレッサーを制御できないと感じていること

 

この3つです。

 

私は、この3つ目の定義こそが重要だと思います。

つまり、「『自分で制御できるかどうか』が、ストレスかどうかの分かれ目になる」ということです。

 

苦しくても、自分でコントロールが可能なら、それはストレスにはなりません。自分で制御できない、「どうにもならない」点がストレスのストレスたる所以であり、「なんとかなる」と思った瞬間にストレスではなくなるのです。❞

❝あるストレスに対する対する調査によると、最もストレスになるのは、「変えられない状況を変えようとすること」だそう。❞

(一部抜粋)

アンガーマネジメントでも自分でコントロール可能か不可能かを考えることを学びました。

やはり、自分でコントロールできないものに対してのストレスは強いのだなと改めて感じました。

じゃあ、どうすればいいのか、ということで「今ここに集中する」というマインドフルネスで元に戻ることが大切なんだな、と実感しました。

3.ポイント3:「心配事の96%」は起こらない

❝米国ミシガン大学の研究チームの心配事の実地調査「心配事の80%は起こらない。さらに、残り16%は準備をしていれば対応可能なもの。」❞

❝将来を予期して不安になることを「予期不安」と言う。ほとんど起こらない取り越し苦労。❞

❝実際に「苦痛」となる出来事が起きなくても「起きるのではないか」と思っただけで、極度の不安状態とそれによるストレス反応が生じる。❞

❝「無」から勝手に自分でストレスをつくり出している。考えなければ発生しない。❞

(一部抜粋)

かなりハッとしました。

なんでか悪いことを考えてしまう時ってありますよね。

これ時間の無駄なのですね。

これもヴァルネラビリティで、傷つくことを恐れるから考えてしまうと理解してるので、今の状況に感謝していこうと思います。

■ 今後に活かせること

  1. 緊張したら「ワクワクする」と言い換えてみる。
  2. 3行ポジティブ日記を実践する。
  3. 睡眠時間をしっかり確保する。

■ 感じたこと

「だから必要なんだ」「なるほど」「これやってみよう」と読みながら思うポイントがたくさんありました。

その他にも、寝ている時にどういうホルモンが出て、それはどういう役割なのかということや、運動がなぜいいのか、など日常生活に取り入れやすいことが満載でした。

実践してみようと思います。

■ 著書について

・【書籍名】人生うまくいく人の感情リセット術

・【著者名】樺沢紫苑

・【出版社】三笠書房

・【出版日】2018年12月

・【目次】

 1章:この1冊で「世の中の悩みの9割」が解決できる!

 2章:人生うまくいく人の「一瞬で気分を変える」法

 3章:できる人の「一気にやる気を高める」法

 4章:人間関係うまくいく人の「嫌いを好きに変える」法

 5章:毎日充実している人の「どんな悩みもサッと消す」法

 6章:「感情のリセット力」を高める脳の習慣

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました!

 

【レビュー】天才を殺す凡人/北野唯我 ◎職場の構造が理解でき、行動したくなる

Roman KogomachenkoによるPixabayからの画像

こちらは、株式会社ワンキャリアの最高戦略責任者の北野唯我氏が、「組織が異なる才能をコラボレーションさせる方法」を構造からわかりやすく示した一冊です。

強烈な題名で、話題になっていたので読んでみました。

凡人からすると「こういうことだったのか!」とワクワクしながらも、サクサク読み進めることができました。

■ 本から得られること

❝働いていて「悔しい」と思ったことはありますか。❞

❝そしてこの「悔しい」という感情は、勘違いされがちですが、実は他人ではなく、自分 へ向けられた気持ちだと思うのです。言い換えれば、

「自分の才能を自分自身が活かしきれていないことへの焦りや悲しみ」

です。だからこそ、人は「もっとできるはずなのに・・・」と悔しくなるのではないでしょうか。

だとすれば、問題はこの「才能の正体」です。具体的には、自分の才能とは一体なにか?です。❞

(まえがきより一部抜粋)

働いていると、悔しいと感じることがありますよね。

私は「できなくて悔しい」「わかってもらえなくて悔しい」と思うことがありました。

ただ、これは結局、「もっと自分に能力があれば」「しっかり伝えることができれば」と自分自身にベクトルが向いています。

自分の才能は何か、自分にできることは何かについて考えることができる一冊です。

 

・職場の人間関係の構造をわかりやすく理解したい

・職場で自分のできることを見つけたい

・職場である人を応援したい

・職場である人に応援されたい

・社内の人を理解したい

このように思われる方にはおすすめの一冊です。

■ 要約

1.ポイント1:配られたカードで戦え

❝「そや、だから負けることなんてたくさんや。勇気出して配られたカードで勝負してもな、 負けるなんてよーさんある。だどもな、もっと大事なのは、自分に配られたカードを世の中に出し続けることなんや。そしたら一つだけ約束できることがある」

「一つだけ約束できること?」

「過去最高の自分に出会えること。これだけはホンマや。才能は絶対磨かれていく。そして見たことない自分に出会える。これが才能を使うことの最大のメリットなんや」❞

(一部抜粋)

やり続けるって勇気も根気もいりますよね。

才能が磨かれるためにはやっぱりコツコツ努力が必要なんだな、とこの本でも記載がされていました。

根性論ではなく、「1000本ノックは必要。だけど、サポートも必要。」という言葉を思い出しました。

2.ポイント2:科学の良さは失敗できること

❝「そやから、危険なんや。

成功の上澄みだけを教科書で学んできた「秀才」は、自分は科学を使いこなせると勘違いする。

なぜなら自分で「失敗しまくったこと」がないからや。

つまり、失敗したことない秀才が、組織の上に立ち、サイエンスを振りかざしたとき、天才を殺してしまう。

ある世界的に有名な科学者は言った。

『科学の良さは失敗できることである」と」❞

(一部抜粋)

政治アナリストの伊藤さんが言われてた「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う」という言葉を思い出しました。

いろんな意見はあると思いますが、意図してもっていきたい方向に見せる方を想像してしまいました。

だけど、本当は失敗できる、というこういうことが大切なんだと感じました。

3.ポイント3:それぞれの人の中に天才がいる

❝「悩むほとんどの人が、若い頃の教育の過程で、自分の中の天才を殺してしまったからな んや。今回、君はそのリミッターを外すことに成功した」❞

❝「僕の中のリミッターを外す・・・それは「秀才の言葉』を忘れることだったと」

「んだ。人の才能というのは、ゼロか100か、ではない。

たとえば、創造性:再現性:共感性=10:0:0 というものではない。それぞれ、少しずつは持っていることがほとんどや。そしてその優劣によって『天才』『秀才』『凡』』のカテゴリーが決まる」❞

(一部抜粋)

このリミッターを外すことことそが、自分の傷つきやすさを受け入れて、向き合うことのヴァルネラビリティだと理解しました。

本には「天才とは『自分に合った武器』を手にした上で『ストッパー』を外した人間 のこと」と記載があったので、天才こそヴァルネラビリティを発揮しているのかなと思いました。

■ 今後に活かせること

  1. 自分の配られたカードを理解する。
  2. 周囲をしっかり観察してみる。
  3. 自分の中の創造性を感じてみる。

■ 感じたこと

かなりわかりやすく職場内を理解することができました。

どこの職場でもこういったことが当てはまると思うで、話題になった理由も理解できました。

人の才能を潰していないか、を考えることも大切ですが、自分の才能も潰していないか、を考えることも大切だと感じました。

■ 著書について

・【書籍名】職場の人間関係に悩む、すべての人へ 天才を殺す凡人

・【著者名】北野唯我 氏

・【出版社】日本経済新聞出版社

・【出版日】2019年1月

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました!

【レビュー】もしもウサギにコーチがいたら/伊藤守 ◎コーチングをソフトに学べる

こちらは、コーチ・エィ代表の伊藤 守氏が、コーチングのステップを体系的に指南する一冊です。

私は、コーチング仲間におすすめされて読みました。

■ 本から得られること

コーチングって何?

・コーチって何をしてくれるの?

・コーチの心構えは?

・聴く時の姿勢はどんなもの?

 

興味はあるけど、専門的すぎる本を読むのはしんどいかな、という方にピッタリの本です。

 

この書籍の表紙を見て、イソップ童話のウサギを連想しました。

題名+気持ちよさそうに寝ているウサギが表紙に書いてあったからです。

 

ウサギとカメのあらすじを知っていたら、ウワギに対して、寝ていたらダメだよ、油断しないで、と教えてあげたくなりますよね。

じゃあ「答えを教えたら、その通りにウサギが動いてくれるの?」

この疑問にはNOという答えになっています。

理由は、ウサギは自分の興味のあることしか聞いてないからです。

 

教えるのではなく、どうしたらウサギの行動が変わるのか、どうしたらウサギの視点を変えることができるのか。

それ以前に、どういう風にウサギと向き合わなければいけないのか。

これらのことが体系的に書かれていました。

 

20年前の書籍ですが、コーチングって何だろう。と思われている方は、わかりやすくソフトに基本を学ぶ入門書にはピッタリです。

また、初心に戻りたい時にも良いと思います。

 

■ 要約(一部抜粋)

1.ポイント1:自分の感覚を持つ。

❝1つの新しい動きや考え方を咀嚼するのに、人は2.3週間の時間を必要とします。

コーチは聞かれたときに答えるのが原則です。

一方的に教えても、ウサギは聞きはしません。基本的に人の話なんて聞かな いんです。でも自分から聞きに行っているときは、聞く用意ができているのですから、そのときに教えるのが原則です。
それ以外のときは、ウサギがぴょんぴょんしているのを眺めていることです。 正しいフォームなんてありません。それぞれ体格も、体質も違いますから。
外から見ていていいとか、悪いとか言っても混乱させるだけです。
大事なのはウサギの感覚です。ウサギが「いい感じ」と言ったら、それは端 はた から見ていてあまり良くないと思っても、いいんです。 ウサギの感覚が何より も優先します。その感覚を育てることがとっても大事なことだし、自信を育て ます。

「自分の感覚」というスタンダード(基準)を持つことになりますから。 そうなればいつでもそこに戻ればいいわけです。他人のスタンダードで動い ていると、いつか自分を見失うことになりますからね。

(一部抜粋)

私の失敗談ですが、コーチングで、どうしても一緒に問題解決をしてしまう時があるんですよね。

それは、何かを持ち帰ってほしいという気持ちが強いからです。

ただ、問題解決をするのはクライアント自身です。

だから、ぴょんぴょんしているのを眺めていればいい、自分のスタンダードを持つことの大切さに救われました。

そっか、焦らずにこれでいいんだ、と立ち返ることができました。

 

2.ポイント2:自分で目標を持つ。

認められるためなら、ウサギは何でもやってしまう。

誰かの期待に応えたり、、、それを動機に動いていると自分を見失ってしまいます。

何を目標にしたらいいのかわからない。

そういうとき、知らない間に誰かの期待に応えることが、目標にすり替わってしまうことがあります。

それを続けるといつも誰かの目を気にして、誰かに踊らされてしまうようになります。

どんな目標でもいいから自分で目標を持つことが大事なのです。

(一部抜粋)

私自身、自分が本当に何をしたいのかわからなくなる時がありました。

気持ちがのっている時は問題ないのですが、ふとした瞬間に、これって何のためなんだろうと思う瞬間がありました。

だから、ありたい姿を丁寧に見出す必要があるんだと実感しました。

 

3.ポイント3:スイッチの切り替え。

ウサギの視点を変えるために、色々試みています。

その基本にあるものが、「アソシエーション」と「デソシエーション」です。 問題の中にどっぷり浸かっているときは、アソシエーション。

その問題を一〇〇年後から眺めたり、他人事のように見るのがデソシエーション。

1つの出来事を最低2つの場所から眺めるように提案します。同時にコーチ の視点が加わるので、最低3つの視点から見ることができます。

 

「アソシエーション」と「デソシエーション」ですが、旅行に行ったり、遊園地に行ったり、映画に行ったり、そんなすごく楽しい瞬間、ふと醒めてしまう という経験をしたことがある人は多いと思います。

みんなが楽しんでいるのに、自分だけ楽しめない。そういうとき、すぐに 「自分はひねくれているんじゃないか」などと自己分析に走りがちですが、そ うじゃないんです。この場合、不随意にディソシエーションが起こってしまっ たんです。

人は自分に対して、または、見たり聞いたりしている対象に対して「アソシ エーション」と「デソシエーション」という2つの立場を取ることができます。 アソシエーションとは、夢中になっている状態です。 心と身体が1つになっているときを言います。 これに対してデソシエーションは、今の自分を客観的に見ていることです。

心と身体が離れている状態です。 人生がうまくいっている人は、楽しいときに、アソシエートしています。つらいときや問題があったときには、デソシエートできるんです。 うまくいっていない人は、楽しいときにデソシエートして、つらいときにアソシエートしています。

アソシエーションとデソシエーションの「スイッチ」をうまく切り替えるこ とができるようになると、人生を楽しむということが具体的にどのようなことなのか実感できます。

また、うまくいっている人たちは例外なくその切り替えがうまいのです。

(一部抜粋)

理解はできるけど、難しいです。

基本的に、何か起こった出来事に反応的に対応してしまいます。

それを一旦受け止めて、どういう選択をとるかを考えるために一時停止をすることが私はまだ習得できていません。

楽しい時とつらい時に切り替えができるようにトレーニングあるのみです。

 

■ 今後に活かせること

① ウサギがぴょんぴょんしているのを眺める。焦らず見守る。

② ありたい姿を丁寧に見出して、自分の目標を立てる。

③ 楽しい時、辛い時、切り替えを意識する。

 

■ 感じたことまとめ

ウサギはいつだって完成している

この言葉が改めて軸だと感じました。

この気持ちがベースにないと、主従関係になり、コーチングは機能しないと思います。

ずっと忘れないように、立ち返るようにしようと思いました。

 

この本を読むことで、コーチングをするための向き合い方が理解できます。

コーチングだけでなく、日常生活にも取り入れやすいです。

可愛いウサギ相手に、聴く姿勢を学ぶことができるようになります。

 

■ 著書について

・【書籍名】もしもウサギにコーチがいたら―「視点」を変える53の方法

・【著者名】伊藤 守氏

・【出版社】大和書房

・【出版日】2002年5月10日

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました!

【レビュー】本当の勇気とは「弱さ」を認めること/ブレネー・ブラウン ◎自分に向き合うことの大切さが学べる

こちらは、ヒューストン大学ソーシャルワーク大学院研究教授のブレネー・ブラウン氏が、恥と共感を研究して理論化した一冊です。

 

こんなにも自分自身に向き合え、勇気をもらい、感動した本はありません。

私のバイブルになりました。

実践することは簡単ではないけど、原動力になる一冊です。

 

■ 本から得られること

ブレネー・ブラ ウンは、ヴァルネラビリティとは「傷つくリスク」 「生身をさらすこと」であると言い、偽りなく生きるにはヴァルネラビリティが欠かせないと主張します。それは、ど ういうことなのでしょうか。

たとえば素手は傷つきやすいものです。熱いものをさわれば熱いと感じるし、やけ どするかもしれない。冷たいものをさわればピリッとする。 とがったものが刺されば、 痛いと感じる......。

もし分厚い手袋をはめていれば、リスクは少なくなるでしょう。でも手袋をはめた まま誰かの手を握りしめても、ぬくもりはぼんやりとしか伝わりません。

たとえ傷つく可能性があっても、素手でいるほうが 生身をさらして生きるほう が、愛や喜び、人とのつながりを豊かに実感できるし、傷つく可能性は、実は偽りなく生きる可能性でもあるのだと、ブレネー・ブラウンは語りかけてきます。

しかしそれは、とても勇気のいる生き方でもあります。弱さやもろさを抱える生身の自分を認めるよりは、重い鎧や息苦しい仮面を身につけているほうが、まだ楽なように思えてしまうからです。どうすれば、この鎧を脱ぎ、仮面をとり、偽りなく生きることができるのでしょうか。それを数多くの面接調査のデータから、ブレネーが自分自身の問題として悩みながら導き出した答えが、本書の内容です。

 

(あとがきより一部抜粋) 

自分自身に正直に生きたい、子どもにもそんな人生を歩んでほしい、あるがまま、ありのままの自分を受け入れたい、他人と比較したくない。と思ってました。

 

私は、ある程度、ありのままを受け入れられていると思っていました。

しかし、読み終わった後、自分の「恥」に縛り付けられ、どれだけ鎧をまとっているのか、現実を突きつけられた気持ちになりました。

それと同時に、自分だけでなく、同じような悩みを抱えている人たちはたくさんいるし、そこから変わることができる、と勇気をもらいました。

 

こちらは、コーチング仲間に教えてもらった本です。

  • 自分のもろさと向き合いたい
  • 誰にも話せない過去の恥と向き合いたい
  • 自己肯定感を育みたい
  • ありのままの自分を受け入れたい
  • 偽りのない生き方をしたい
  • 家族を大切にしたい
  • 家庭・職場などを安心できる場所にしたい

このように思われる方には本当におすすめの一冊です。

■ 要約(一部抜粋)

 1.ポイント1:感謝の練習をする。

❝喜びとは何かを追究 した結果、仕事も人生も喜びとは心から感 じることが一番難しい感情ではないかと思います。というのは、傷つく可能性を受け入れられないと、喜びに不吉な予感を抱いてしまうから。人は幼い頃は心から純粋に喜べるが、自分でも気がつかないうちにだんだんそれができなくなっていきます。 欠乏感にとりつかれた文化の中で生きていると、これで安全、確実、だいじょうぶだと思うことができず、喜びには裏があるような気がしてしまいます。

喜びのさなかの不安の揺さぶりは、感謝へのいざないなのだ。目の前にいる人、人とのつながり、今の瞬間が、どれほどありがたいものか認め なさいと、いざなっているのであります。❞

(一部抜粋)

子どもの寝顔を見ている時、幸せだと思った次には、「もし、この子に何かがあるとどうしよう」と涙が溢れてくることがありました。

幸せすぎて怖い。とはこのことです。

この本によると、私は幸せに値しない人間なのではないか、と思ってしまっているようです。

不安に思っても仕方がないことを考えてもどうしようもないです。

だから、ただ、今の幸せに感謝しようと思いました。

 

 2.ポイント2:「ひび割れの美」を知る。

❝どのレベルにしろ完璧主義から解放されるには、「人からどう思われるか」から「私はこれでよい」への長い旅が必要です。 この旅は恥からの回復、自己共感(自分への思 いやり)、自分のすべてを認めることから始まります。自分がどんな人間で、どんな過去があり、何を信じているかを認め、人生の不完全さを引き受けるには、少し立ち止ま ってひび割れの美――「欠け」があることのすばらしさを知る必要があります。自分にも 他人にもやさしくなり、大切な人に対するように自分自身に語りかけられるようになるために。❞

レナード・コーエンの「アンセム」の一節

「すべてのものにはひびがあり、光はそこから差し込んでくる」❞

(一部抜粋)

こうでなくてはいけない、完璧でなくてはいけない、こう考えると窮屈になりすぎて、がんじがらめになってしまいます。

かなり心に響きました。

理解はしてるけど、心の底からはそう思えない。私もこれから長い旅が必要です。

 

 3.ポイント3:まず自分が望ましい大人になる

親がお互いを批判しがちなのは、実はたいていの人は自信のないまま手探りで子育てをしているからです。何だかんだ言っても、自分のやり方に確信があるなら、ひとりよがりな批判をしたりしないでしょう。自分の子どもによいものを与えている自信があれば、 オーガニックでないミルクをあげている人を見ても、呆れて目を回して気絶したりはしません。だが自分の選択を疑う気持ちがどこかに潜んでいると、自分の正しさを証明 したい欲求が目を覚まします。 完璧な親ではないかもしれないという不安から、少なくとも誰かよりましだと確認したくなるのです。子どもについて抱く希望や不安には、完璧な子育てというものはありえないし、確かな保障など何もないという恐るべき事実が潜んでいます。

❝愛と帰属意識を心から感じている人と、それを求めて苦しんでいる人を分ける要

素はただ一つで、自分は愛と居場所をもつに値すると信じ ているかどうかです。

ここで忘れてはならないのは、自己肯定感に条件はいらないということです。❞

❝「心の中にある思いを表情で語りましょう。子どもが部屋にやってきたら、あなたに 会えてうれしいと表情で伝える。それだけでいいんです」❞

(一部抜粋)

子どもの自己肯定感を育むことは、家庭での子育てが大切なんだといろんな本に書かれていました。

身だしなみなんていいから、まず笑顔を投げかけてみようと思います。

 

■ 今後に活かせること

  1. 感謝の練習をする。「傷つくのは怖い。でも○○に感謝している」
  2. 自分の感情を知る。どうしてそう思うのだろうと、自分を探求する。
  3. 抱負としての価値観と、実践している価値観のギャップを明確にする。

■ 感じたこと

生きているからこそ傷つき、傷つかないように鎧をまとい、本当の自分がわからなくなる。

大人になると誰でもそうなると思っていました。

だけどこの本を読んで、大人になるって、そんなことではないんだなと感じることができました。

愛とは、生きるとは、自分らしくとは、どんな人生を歩みたいかを考えさせられました。

 

遅すぎるということは ない。どんなに苦い過去でも自分のものとして受け入れるとき、結末は自分でつけることができる。

本には、こう書かれていました。

人間は、意味づけをします。

過去の意味づけは変えることができます。

 

まずは、自分を慈しむことから始めてみようと思います。

 

■ 著書について

・【書籍名】本当の勇気とは「弱さ」を認めること

・【著者名】ブレネー・ブラウン

・【出版社】サンマーク出版

・【出版日】2013年8月20日

・【目次】

 1章 「いつも何かが足りない」という不安

 2章 「傷つくこと」について私たちが誤解していること

 3章 「恥」というグレムリンを退治する

 4章 なりたい自分になるために、武器を手放すということ

 5章 理想と現実のギャップを埋める方法

 6章 人間性を取り戻す破壊力のある関わり

 7章 「偽りのない」 子育てのための終章

 

YouTubeにTEDでお話されているものがアップされております。

とてもあたたかい人柄で、こちらも感動しました。

digitalcast.jp

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました!