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【レビュー】もしもウサギにコーチがいたら/伊藤守 ◎コーチングをソフトに学べる

こちらは、コーチ・エィ代表の伊藤 守氏が、コーチングのステップを体系的に指南する一冊です。

私は、コーチング仲間におすすめされて読みました。

■ 本から得られること

コーチングって何?

・コーチって何をしてくれるの?

・コーチの心構えは?

・聴く時の姿勢はどんなもの?

 

興味はあるけど、専門的すぎる本を読むのはしんどいかな、という方にピッタリの本です。

 

この書籍の表紙を見て、イソップ童話のウサギを連想しました。

題名+気持ちよさそうに寝ているウサギが表紙に書いてあったからです。

 

ウサギとカメのあらすじを知っていたら、ウワギに対して、寝ていたらダメだよ、油断しないで、と教えてあげたくなりますよね。

じゃあ「答えを教えたら、その通りにウサギが動いてくれるの?」

この疑問にはNOという答えになっています。

理由は、ウサギは自分の興味のあることしか聞いてないからです。

 

教えるのではなく、どうしたらウサギの行動が変わるのか、どうしたらウサギの視点を変えることができるのか。

それ以前に、どういう風にウサギと向き合わなければいけないのか。

これらのことが体系的に書かれていました。

 

20年前の書籍ですが、コーチングって何だろう。と思われている方は、わかりやすくソフトに基本を学ぶ入門書にはピッタリです。

また、初心に戻りたい時にも良いと思います。

 

■ 要約(一部抜粋)

1.ポイント1:自分の感覚を持つ。

❝1つの新しい動きや考え方を咀嚼するのに、人は2.3週間の時間を必要とします。

コーチは聞かれたときに答えるのが原則です。

一方的に教えても、ウサギは聞きはしません。基本的に人の話なんて聞かな いんです。でも自分から聞きに行っているときは、聞く用意ができているのですから、そのときに教えるのが原則です。
それ以外のときは、ウサギがぴょんぴょんしているのを眺めていることです。 正しいフォームなんてありません。それぞれ体格も、体質も違いますから。
外から見ていていいとか、悪いとか言っても混乱させるだけです。
大事なのはウサギの感覚です。ウサギが「いい感じ」と言ったら、それは端 はた から見ていてあまり良くないと思っても、いいんです。 ウサギの感覚が何より も優先します。その感覚を育てることがとっても大事なことだし、自信を育て ます。

「自分の感覚」というスタンダード(基準)を持つことになりますから。 そうなればいつでもそこに戻ればいいわけです。他人のスタンダードで動い ていると、いつか自分を見失うことになりますからね。

(一部抜粋)

私の失敗談ですが、コーチングで、どうしても一緒に問題解決をしてしまう時があるんですよね。

それは、何かを持ち帰ってほしいという気持ちが強いからです。

ただ、問題解決をするのはクライアント自身です。

だから、ぴょんぴょんしているのを眺めていればいい、自分のスタンダードを持つことの大切さに救われました。

そっか、焦らずにこれでいいんだ、と立ち返ることができました。

 

2.ポイント2:自分で目標を持つ。

認められるためなら、ウサギは何でもやってしまう。

誰かの期待に応えたり、、、それを動機に動いていると自分を見失ってしまいます。

何を目標にしたらいいのかわからない。

そういうとき、知らない間に誰かの期待に応えることが、目標にすり替わってしまうことがあります。

それを続けるといつも誰かの目を気にして、誰かに踊らされてしまうようになります。

どんな目標でもいいから自分で目標を持つことが大事なのです。

(一部抜粋)

私自身、自分が本当に何をしたいのかわからなくなる時がありました。

気持ちがのっている時は問題ないのですが、ふとした瞬間に、これって何のためなんだろうと思う瞬間がありました。

だから、ありたい姿を丁寧に見出す必要があるんだと実感しました。

 

3.ポイント3:スイッチの切り替え。

ウサギの視点を変えるために、色々試みています。

その基本にあるものが、「アソシエーション」と「デソシエーション」です。 問題の中にどっぷり浸かっているときは、アソシエーション。

その問題を一〇〇年後から眺めたり、他人事のように見るのがデソシエーション。

1つの出来事を最低2つの場所から眺めるように提案します。同時にコーチ の視点が加わるので、最低3つの視点から見ることができます。

 

「アソシエーション」と「デソシエーション」ですが、旅行に行ったり、遊園地に行ったり、映画に行ったり、そんなすごく楽しい瞬間、ふと醒めてしまう という経験をしたことがある人は多いと思います。

みんなが楽しんでいるのに、自分だけ楽しめない。そういうとき、すぐに 「自分はひねくれているんじゃないか」などと自己分析に走りがちですが、そ うじゃないんです。この場合、不随意にディソシエーションが起こってしまっ たんです。

人は自分に対して、または、見たり聞いたりしている対象に対して「アソシ エーション」と「デソシエーション」という2つの立場を取ることができます。 アソシエーションとは、夢中になっている状態です。 心と身体が1つになっているときを言います。 これに対してデソシエーションは、今の自分を客観的に見ていることです。

心と身体が離れている状態です。 人生がうまくいっている人は、楽しいときに、アソシエートしています。つらいときや問題があったときには、デソシエートできるんです。 うまくいっていない人は、楽しいときにデソシエートして、つらいときにアソシエートしています。

アソシエーションとデソシエーションの「スイッチ」をうまく切り替えるこ とができるようになると、人生を楽しむということが具体的にどのようなことなのか実感できます。

また、うまくいっている人たちは例外なくその切り替えがうまいのです。

(一部抜粋)

理解はできるけど、難しいです。

基本的に、何か起こった出来事に反応的に対応してしまいます。

それを一旦受け止めて、どういう選択をとるかを考えるために一時停止をすることが私はまだ習得できていません。

楽しい時とつらい時に切り替えができるようにトレーニングあるのみです。

 

■ 今後に活かせること

① ウサギがぴょんぴょんしているのを眺める。焦らず見守る。

② ありたい姿を丁寧に見出して、自分の目標を立てる。

③ 楽しい時、辛い時、切り替えを意識する。

 

■ 感じたことまとめ

ウサギはいつだって完成している

この言葉が改めて軸だと感じました。

この気持ちがベースにないと、主従関係になり、コーチングは機能しないと思います。

ずっと忘れないように、立ち返るようにしようと思いました。

 

この本を読むことで、コーチングをするための向き合い方が理解できます。

コーチングだけでなく、日常生活にも取り入れやすいです。

可愛いウサギ相手に、聴く姿勢を学ぶことができるようになります。

 

■ 著書について

・【書籍名】もしもウサギにコーチがいたら―「視点」を変える53の方法

・【著者名】伊藤 守氏

・【出版社】大和書房

・【出版日】2002年5月10日

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました!